推薦人(織田昭氏)紹介

 織田氏には自由人キリスト教会の発足にあたり、教会名・趣旨など全面的にご賛同いただき折に触れてエールも送って下さいました。

【織田氏略歴】
■1927年、和歌山市に生まれる。
■大阪商科大(現・大阪市立大)中退・大阪聖書学院卒・ギリシア国立アテネ大学卒。大阪聖書学院教授・大東キリストの教会牧師。
■宗教と宗教家への敬意は保ちながら距離を置いて、一人の聖書の読者としてイエスを「主」と仰ぐ平凡な個人のまま、パウロの言う「異邦人の福音」を学んで報告する福音宣言に、晩年は終始する。
■新約聖書講解集ローマ・Ⅰコリント・ガラテヤの渾身の三部作を遺し、2008年1月20日逝去。

【代表的著作】
新約聖書ギリシア語小辞典
新約聖書のギリシア語文法
新約聖書講解集 マタイによる福音
新約・旧約単篇講解集 聖書の福音

新約聖書ギリシア語小辞典

(キリスト新聞より抜粋)

※「新約聖書ギリシア語小辞典」の購入を希望される方は「教文館」へ。


新約聖書のギリシア語文法

~ 日本語による最も詳しい文法書 ~ 

神戸ルーテル神学校ギリシア語講師  正木うらら氏の推薦文


 全3巻、B5版で922ページという日本語で書き下ろされた最も詳しいギリシア語文法書が、この春(2003年5月)誕生した。誕生したとはいっても、著者が大阪聖書学院で四十数年間にわたって教鞭をとる中で、積み重ね研究され、改訂され、使用されてきた教材を、日本コンピュータ聖書研究会の諸氏が変換電子化し、この度の出版となったもので、この大書が求めやすい価格で公になった過程は奇跡に近い出来事のように思われる。

 この書には、独自の工夫が散りばめられている。聖書以前から現代までを見据えてギリシア語を生きた言語として捉えつつ、新約聖書が書かれたギリシア語を効率的に学習するために必要な事柄が、細部に至るまで緻密に構成されている。特に複雑な動詞体系の全体像を三次元で提示した「ギリシア人のあたま」は圧巻である。さまざまな語形で現れる動詞の時称語幹を「アスペクト」の違いとして明確に解説し、直説法の六時称を徹底して習熟した上で、他の品詞へと進む。各課ごとに詳しい注が付され、不規則に見える語形変化に対する「なぜ」という疑問にも実にていねいに答えられている。練習問題はシンプルなものから始めて、次第に新約聖書の本文に近づくようにと配慮され、さらに各所での統語法の例文には聖書本文が豊富に的確に引用されている。

 内容は学術的でありながら、説明はそこで語られているかのように実に読みやすく分かりやすい。それはこの書がいくつかの「師弟」という現場の関係の中で熟成されてきたからであると思われる。ギリシア語を生きた言葉として使いこなすまでに至ったアテネ時代の著者自身の師へのあふれる感謝、「教えることによって身に付く」と表現される教室での日々の学生との関わり、さらには主ご自身を師と仰ぎ、その言葉と内容に近づき、イエス・キリストの福音を原典から読み取り分かち合いたいという願い、それらのすべてが特色となって現れている。これからもこの書が、そのような生きた「関わり」の中で広く用いられることを願うものである。

                  「クリスチャン新聞」2003年11月2日号


※「新約聖書のギリシア語文法」、また各「講解集」の購入を希望される方は「教友社」へ。